Multi-purpose Women Center

Panchakhal, Nepal

2004

site area : 232.37 ㎡

building area : 48.60㎡   

total Floor area : 68.04 ㎡

structure : concrete block ,2 stories

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

NGOラブグリーンジャパンによるネパールの女性自立支援センター。

村の女性グループが管理運営する研修所。

コンクリートブロックの組積造の壁と鉄パイプの屋根。

菩提樹の下に集う村人たちの憩いの場所でもある。

 

 

菩提樹の木の下で

ネパール・パンチカール村の女性支援センターの設計にあたって

ネパールは70年代後半から人口が急増し、都市部では建築用木材の需要が高まり、農村部では畑を広げるために木を切り続け、燃料を薪に頼る生活も森林破壊に拍車をかけた。また化学肥料や農薬が多用され、土壌汚染は深刻で農民の健康を脅かす状況にまでなっていた。
NPO法人ラブ・グリーン・ジャパン(LGJ)は、1991年の組織設立以来、ネパールのパンチカール渓谷5村において、植林とバイオガスシステムの設置、有機野菜栽培の普及など森林保全と村落開発を12年間続けてきた。この地域は丘陵地で他地域との交流の機会が少なく、就学率、識字率も低く、教育が重要な問題となっている。特に女性の地位向上とその環境整備が早急に求められている。そこでLGJは今までの経験が生かされる研修施設を建設することに至った。

さしあたりの施設プログラムは50人収容の研修室と倉庫で、後にセンターを管理運営する女性グループのため事務室、トイレが追加されることになっている。敷地周辺は街道から少し村道を上がった丘の上で、遠くに雄大なヒマラヤ山脈が望むことができる。反政府武装集団(マオイスト)の影響で計画地を何ヶ所も模索したが、比較的安全な現在の土地に決定された。
設計するにあたり、まず現地の建設資材、工法、施工技術などの状況を調査した。近年ネパールでは首都カトマンズで人口が急増している。マオイスト問題で地方からの人口流入が加速し、現在、カトマンズ盆地周辺は爆発的な住宅の建設ラッシュとなっている。ここではレンガ造が一般的な工法となっている。そのレンガは都市周縁部で大量につくられている。田んぼの土がレンガの材料となっていた。一面にひろがっていた美しい棚田の農村風景は失われ、一面のレンガ工場に代わっている。またレンガ焼成時に発生する煙による大気汚染など、レンガの使用は深刻な社会問題になっている。(現に中国では構造体でのレンガの使用は禁止された。)そこで今回の女性センターの建設では少量ではあるのですが、レンガの代わりにコンクリートブロックを使い、それを鉄筋コンクリートで補強することにした。屋根は鉄パイプのトラス架構のうえに鉄製のコルゲートシートを葺く。開口部は木製の建具とし、採光と換気が十分にとれる配置としている。建設資材はすべて現地で簡単に調達できるものとした。講師が立つ黒板の上部はトップライトになっていて、光が降り注ぐ。日中は人工照明を使わず、自然採光でまかなえる室内環境としている。室内に木製のベンチと講師台を設え、その配置により多目的に使用できる。環境と安全を考慮し、限られた予算で最大限の要望にかなう施設となっている。
敷地の正面には樹齢何百年にもなる巨大な菩提樹が立っている。女性支援センターは常にこの巨樹に見下ろされることになる。ここで、ひとりでも多くの女性たちが学び、自立できることを期待している。

 

ネパールの建設事情

パトレケット村のプロジェクト